【今日から使える】印象を変える声かけ方法3選
点検後に交換部品を提案したい時、自分の言葉ですらすらとお客様にご提案できていますか?
私も以前は
- お客様に部品交換の提案をするのが苦手
- 押し売りみたいに感じられないか不安
- 「見積もり金額が高い」と言われると気まずくなる
などの悩みがありました。
この記事では、今日からすぐに使える
お客様からの印象を変えられる声かけ方法を3つご紹介します。

お客様へご提案する時に不安な気持ちになるのはなぜ?
点検内容には自信を持っているのに、いざ交換部品のご提案となった際に自信がなくなるのはなぜでしょうか。
過去に他のお客様におすすめした際に不要だと言われたことがあったり、部品や工賃が高額ですすめにくかったりと要因は複数あるかと思います。
もちろん、
- 本当に今すぐ交換が必要なもの
- 交換をお勧めするけど、まぁ今日じゃなくてもいいもの
- 会社の目標として声かけするように言われているもの
など、状況や商品は様々だと思うので、
この記事では私がよく使う
『状況に合った合った声かけ方法』をお伝えします。
本当に今すぐ交換が必要なもの

これは主に、エンジン不調があったりブーツが破れていたりと既に不調が現れている状態です。
「整備士としてはこのままお返ししたくないです」
お客様が自走して入庫された場合「不調だけど乗れないことはない」と考えている場合があります。
もちろん部品の入荷まで日数がかかる場合などお車をお返しする必要がある場合もありますが、
ここでは【国家資格を持った整備士の意見】として「走って欲しくない」旨をお伝えしましょう。
このまま走り続けると状態が悪化するものや、すでに保安基準に適合しない状態になってしまっているなど程度は様々ですがその判断ができるのはあなたが整備士だからです。
うちの母ちゃんにはその判断はできません。整備士じゃないからです。
現状のまま走って欲しくない旨のお伝え
例えば、
- 走行中にエンジンが止まる可能性
- 走ることで現状より悪化する可能性
- ブレーキが効かなくなる可能性
などが挙げられます。
現在の車の状態を正確にお伝えすることで後のトラブル防止にもなります。
現状よりも悪化してしまう可能性がある場合には
危険性だけでなく、修理金額が上がるということもお伝えしておきましょう。
交換をお勧めするけど、まぁ今日じゃなくてもいいもの
これは主に、パッドの残量やオイルエレメント、タイヤなどで次回の点検まで余裕のある状態です。
「自分の親なら交換するよう勧めます」
現在は不調があるわけではないが予防整備の意味も込めて提案したいことって山ほどありますよね。
でも、この時に気になるのが
『なんでもかんでも勧めている感』が出てしまわないか、という部分だと思います。
半年ごとにしっかり点検に出しているのに、
ある日急にあれもこれもと交換部品を提案されると困惑してしまうお客様の気持ちを考えると言い出せないのではないでしょうか。
まずは点検ごとの丁寧な整備後説明を行い、「今日は大丈夫だけどそろそろだよ」という旨をしっかりお伝えすることが重要です。
特に年配の方にはメモに書いて渡すなど、より丁寧な対応があると喜ばれます。
ここでは
【自分にとって大切な人の車を整備士が診た意見】として
「私の母の車なら〜」や「祖父の車だったら〜」という前置きをよく使っていました。
- しっかり診て今日は大丈夫だと言ってくれた
- 次回のアドバイスまでしてくれた
といったご感想をいただけることもあったので、ぜひ活用いただきたい提案方法です。
Twitterへの投稿でも多くの関心が寄せられました。
会社の目標として声かけるすように言われているもの
ここではお車の安全というより「快適装備系」でエアコンフィルターや添加剤などを指します。
「今ならお得に買えるのでお勧めです」
このパターンでは【整備士の意見】は入れないようにしていました。
これは個人の考え方にもよると思いますが、あくまで快適装備として、またはキャンペーン等で安くなっているから、という理由をお伝えしエアコンフィルターなら「1年ごとの交換が目安だし、今なら安いから2つ買っちゃう?」くらいのノリでした。
比較的女性ユーザーの多い店舗だったこともあるかもしれませんが緊急性のないものに関しては整備士の意見というより
「お買い得感」や「私も買いました感」を全面に出した方がよく購入につながった印象です。
「いまなら2点で5%オフ!」や「本当に人気の商品で、私も色違いで2枚買ったんですよ!」というアパレルショップの店員さんの声がけとも似ていますね。
ただし、エアコンの風量が弱くなったという点検のお客様でエアコンのフィルターが目詰まりしているような場合はきちんと交換をおすすめすることも大切です。
また、このような場合には
- メーカー推奨の交換目安時期
- お客様のフィルターの状態とおすすめの交換時期
の2点をお伝えすると親切です。
まずは事実をお伝え:
「メーカーは交換の推奨を1年としていますが、これは脱臭や防カビ性能が1年というものです。
そのため、目詰まりという面だけで考えるともう少し長くても大丈夫なのですが、
今回は新車から3年も変えていなかったので、さすがに目詰まりしていました。」
なぜ交換をおすすめするのかを説明:
「エアコンフィルターを交換しないでいると臭いの発生原因になったり、
今回のように目詰まりして風量が弱くなると
ガラスの曇りが取れるまでに時間がかかったりします」
自宅のエアコンのフィルターは掃除機で吸ったり水洗いができますが、車用のものは交換するしかないということをお伝えしてもいいですね。
交換したら、必ず次回のご案内「次回の12ヶ月点検の時にまた確認してみましょう」のお声がけを!
この一言があるかないかで
- 前回変えたでしょ?また変えないといけないの?
- そうだね、確認をお願い。
大袈裟ではなく、これくらいの差が出ます。
後の自分に優しいパスをだすための一言をかける習慣がつくといいですね!
見積を後出しするのも一つの手

先に見積書を机に出されると、お客様は金額にばかり気が行ってしまいます。
服を買いに行って値札を見るまでは「なんて素敵な服なんだ」と思っていたのに
値札を見て買うのをやめたという経験はありませんか?
車の交換部品でどれくらいの重要度であるかにもよりますが、
金額を見るとそちらに気が向くのはよくあることです。
あえて見せずにご説明をし、じゅうぶんに交換が必要な理由をご理解いただいてから金額をご提示という順番にすれば
お客様の『金額に対する反応』を見ずに自分のペースで整備後説明ができます。
どのようなお声がけをしていますか?
この記事では今日から使える言い回しとして3つの例をご紹介しました。
普段からこのような会話に慣れていたり、説明が得意だという方もいれば『本当に必要な整備なのに』その旨をしっかり伝えることができず、お客様と修理の金額のことばかり話をしてしまう方もいるのではないでしょうか。
もちろん金額のことをお伝えするのは大切なのですが、それは営業・事務スタッフにもできること。
私たち整備士にしかお伝えできないことはその作業が
『何のために必要なのか』という部分ですよね。
このことをしっかり理解した上で【整備士として】作業をどうおすすめできるかというところが
お客様にとっても「整備士と話をする価値」につながります。
自分なりのテンプレがあると安心
お客様と話すのは苦手だから〜という方にこそ今回の言い回しを活用してほしいと思います。
毎回言い方を変えなくてはいけないわけではないし、話すのが苦手なら交換部品ごとの要所をまとめたお手製のカードを作成してもいいでしょう。
ラミネートして店舗に用意しておけば、みんなで使える資料にもなります。
自分に合った接客スタイルを確立させて「あなたに全部任せるよ」と言ってもらえる整備士になりたいですね。
恥ずかしがらずに練習しよう
整備後説明ができていないのは、整備でちゃんと診ていないのと同じだと言われたことがあります。
とっても悔しいですよね。
自社に自分以外の整備士がいるのであれば、お互いに練習をすることでよりいい提案方法や言い回しも見つかるでしょう。
同僚の、ましてや整備士相手に練習することは恥ずかしいですが、この練習は接客でとても有利に働きます。
自身のスキルアップのため、ぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか。