創意工夫提案って何?自動車販売・整備工場が取り入れるメリットとは
今回ご紹介する創意工夫提案とは
従業員からの
- 現状の問題点
- 改善するための取り組み
- それによって見込める効果
の声を集めることで社内の改善を図ろうという内容です。
会社や部署などによって集めたい改善の声は異なると思うので、
まずは自分の部署でどのような困りごと(不満)があるかを洗い出してみましょう。
本家はトヨタ自動車の取り組みになりますが、内容などをカスタマイズすることで
自動車販売や整備工場でも有効だと考えます。
これらを汲み上げる仕組みを作って、自動車販売・整備工場の働きやすい環境づくりに繋がればと思います。
私はディーラーから転職して修理書の編集業務を行なっていたのですが、
その会社で初めて「創意工夫提案」というものに出会いました。
「改善したら効率がいいのに」などと思っていることを
提案書に記載して提出できる機会を会社側が用意していたことに衝撃を受けたことを今でも覚えています。
創意工夫とは?

今までだれも思いつかなかったことを考え出し、それを行うためのよい方策をあれこれ考えること。▽「創意」は新しい思いつき、今まで考え出されなかった考え。「工夫」は物事を実行するために、よい方策をあれこれひねり出すこと。
goo辞書 「創意工夫」より引用
社内の物事に対する改善案を出すようなイメージですが、
誰も思いついていない・実行していないことをやってみるというところがポイントです。
創意工夫提案のしくみ
創意工夫提案は、まっさらな紙に自由記述する方式ではなく
テンプレートが用意されていることが多いようです。
私もテンプレートに沿って空枠を埋めながら記入していました。
創意工夫提案書にはテンプレートがある
【創意工夫提案】とGoogleで調べてみると、
さまざまな業種における創意工夫提案用紙の写真が出てくるので
ぜひ参考にしてみてください。
まずは提案のテーマを決め、どのような問題点があるのかを洗い出します。
その改善を実践することで出た(出る見込みの)効果(数値など)までを記載します。
POINT
- 題名(今回の提案テーマ)
- 改善前の問題点
- どのような改善を実践したか
- 実践して出た(出る見込みの)効果
効果については、例えば
歩数や作業にかかる時間が〇〇減った(効率が上がった)や、電気代が〇〇円(kw)浮いた(環境に優しい、費用減)など。
また、その改善によってどのような項目に対して効果があるのかを選ぶ項目もありました。
項目の例
- 環境対策
- 安全対策
- 費用や効率
ここでの項目については、各会社や担当業務ごとに設定してもいいかもしれませんね。
また、評価についても上司がただ良いか悪いかを決めるのではなく
評価項目に分けて採点したり優秀な提案を表彰するなど、よりオープンな制度にするとよいでしょう。
創意工夫提案は提出すると報酬が出る
面白いのは、創意工夫提案には報酬が発生するというところです。
そして、提案による効果が大きいものなどはその報酬が高くなることから
より良い提案を出そうという意識も働きました。

詳細は記載できませんが、私は「後工程での業務効率UP」になるよう後工程を巻き込んでフィードバックをもらいながら1ヶ月実践した「自工程の見直し」についての提案書を提出して報酬として6,000円をGetしました!
なぜ自動車整備工場に創意工夫提案がおすすめなのか

従業員の不満はSNSへ流出、解決方法が見出せていない
TwitterなどのSNSを見ていて思うことの一つに
社内での出来事に対する不満がとても多いことが挙げられます。
もちろん、不満の吐口にしたい気持ちはわかるのですが
SNSにいくら不満を発信していても
- 自社の評判を下げる
- 自分の価値を下げる
以外に何の変化も起こしません。
会社にとっても従業員の不満を解決できないままとなり
整備士不足と言われる中での人員の流出にもなりかねませんね。
しかし、ただ「不満」や「愚痴」として声を上げられても対処は難しいため
創意工夫提案というフォームを使ってそれらを
ポジティブに回収することをおすすめします。
販売店・整備工場全体で改善しようという姿勢へ
営業職、事務職、整備士やアドバイザーなど、
複数の職種が混在しているのが自動車整備工場です。
職種の異なるさまざまな従業員が複数いると
自然と役割やキャラクターのようなものができあがっていませんか?
キャラクターや立場関係なく、全体で取り組むことでより良い環境づくりにも貢献できると思います。
また、実作業者と管理者間で改善したいポイントがズレているというのはよく聞く話ですね。
改善提案などからポジティブに自社の現場の声を拾い上げてみるのもいいかもしれません。
対人関係については効果が出にくい可能性も
社員が持つ不満の中には
「ここが使いやすいといいのに」
「保育園のお迎えに間に合う時間にあがりたい」
などという会社の仕組みに対するものだけでなく
「Aさんはいつもサボっていると感じる」
「Bさんはすぐ機嫌が悪くなって工場の空気が重い」
など、人が要因となる場合もあります。
創意工夫提案では人が要因となる部分はカバーしにくい可能性があるため
このような点では適宜面談などをして解決策を探していく必要があります。

保育園のお迎えの件では、フレックス制を導入するなどして
従業員の不満から会社の福利厚生の一つとして
アピールポイントに変えたという事例もあるようです!
ちなみに、不満を買い取りセンターなるものがあることをご存知ですか?
大手企業などはこのようにしてユーザーの不満をお金を出して買い取っているんですね。
まとめ
今回は創意工夫提案についてご紹介しました。
- 現状の問題点
- 改善するための取り組み
- それによって見込める効果
これらを汲み上げる仕組みを作って、少しでも働きやすい職場づくりに繋がればと思います。
既に同じような仕組みがある会社もあるかもしれませんが、運用はうまくいっているでしょうか?
月ごとにテーマを設定するなどして、よりよい創意工夫提案が出るような仕組みをつくりあげられるといいですね。
書くネタがない!という声があがったら、自身のSNSを見直してみることをおすすめします。意外といいネタが転がっているかもしれませんよ。